空き家問題とは
現在、空き家は全国に820万戸あり、増加の一途を辿っています。2033年には2000万戸を超えると予測され、全住宅の3戸に1戸が空き家となります。中でも、親の住む自宅で住む人が居なくなった空き家が増加し、社会問題を引き起こすと言われています。
放置された空き家は、次のような問題を発生させます。
このように、空き家は、持ち主や縁者だけの問題ではなく、地域住民、自治体を巻き込む課題となっています。
空き家の管理には、換気、排水管の破封防止、清掃などから、除草、草木の手入れ、家屋の修理に至るまで定期的に実施する必要があります。 所有者がご自分でできる間は問題なくとも、ひとたび管理が難しくなると一気に家屋が朽ち果てて、どうにもならない状況に陥ってしまいます。 空き家の管理業者に依頼すると、年間35万円~50万円程度の費用がかかります。 水道光熱費の基本料や火災保険料、固定資産税がかかる上、遠方なら交通費も気になります。
空き家の管理の問題が今後大きくなることから、平成27年に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が制定されました。 ご近所などから、空き家に関する苦情を受けた自治体が、空き家の持ち主に管理指導ができる法律で、適切に管理されていない空き家を「特定空家」に指定することができます。 「特定空家」に指定されると、罰金や行政代執行を含む助言・指導・勧告・命令ができることになりました。
固定資産税の面から見ると、建物が立っていると土地だけの場合の税額が1/6になる特例があります。この特例があるため、建物の取り壊しに躊躇する場合が多いのですが、「特定空家」に指定されるとこの特例措置が適用されなくなります。 放置された空き家は急速に老朽化し、取り壊しの運命にあります。 土地だけになったら固定資産税は6倍。 除草などの手間もかかり続けます。
「空き家」問題は、持ち主と縁者だけでなく、国、自治体、地域住民が力をあわせて、解決していかなければならない問題となっています。